ハイクラスの設備を整えて精密根管治療(米国式根管治療)を行います
根管治療は、歯の内側まで進行した重度の虫歯において抜歯を防ぐために行う治療です。難易度が高いこの治療をより精密に行うため、当院ではハイクラスの設備と器具・機材を揃えています。そして重要なことは、それらを使いこなすためには術者の熟練した技術と知識が必要である、ということです。当院は歯内療法専門医である院長が精密で丁寧な治療を行います。
主な治療設備・器具・機材 |
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被ばく量減少、解像度向上の高性能レントゲン
従来のレントゲンと比べて患者様の放射線被ばく量が大幅に減少しました。また解像度が格段に高いため、骨の小さな変化も読み取ることができます。テレビで例えるならデジタルハイビジョンのようなものです。
従来のレントゲン | デジタルレントゲン |
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今まで見えなかった病巣もクリアに確認
CTとはコンピュータによる3D画像による診断が可能な装置です。口の中にフィルムを入れて撮影する一般的な撮影方法では、ほお骨や上アゴの中の空洞(上顎洞:c)に遮られ、一部の病巣がはっきり映らない(a)ことがあります。しかしCTで断層撮影を行えば、それらの病巣も鮮明に発見できます(b)。つまり病巣の見落としがなくなり、より精度の高い治療が可能になります。
※不必要な被ばくを避けるため、状況に応じて撮影を行います。
CTによる断層撮影
マイクロスコープを用いた治療は、肉眼で見える部分が拡大されてより詳細に見えるだけでなく、強力なライトの照射によってより鮮明に確認でき、治療精度が格段に高まります。
日本においては、現在でも歯科医院全体で約3%(平成27年)しか導入されていないと言われています。
Nd:YAGレーザーを用いた治療は痛みがほとんどありません。
Nd:YAGレーザーのレーザー光は組織内を透過する特性があるので、あらゆる箇所への照射が可能であり、目的外の周辺組織を損傷させずに治療効果を発揮し、治療後の痛みなどの緩和効果も期待できます。
根管治療には必要不可欠なラバーダム防湿法
ラバーダム防湿法とは、根管治療を施す歯だけをお口の中で露出させ、主に治療中の根管内への唾液の流入を防ぐためにお口全体に薄いゴムシートを被せる方法です。
唾液には、さまざまな細菌や目に見えない汚れ等が常に存在しています。
ラバーダム防湿を施す事で菌や汚れなどを含む唾液を完璧に遮断し、歯の根の中をクリーンかつ無菌状態に保ちながらの治療が可能となります。
さらに、使用する小さな治療器具や歯の削りカス、古い充填材、洗浄液などの吸引や誤嚥を防ぐだけでなく、治療機器によって頬などの粘膜が傷つかないようにガードをしてくれる役割も果たしています。
言い換えれば、根管治療の成功率を上げるためにはラバーダム防湿法は必要不可欠な手段なのです。
歯の内部が直接見える歯科実体顕微鏡
18世紀まで、虫歯の原因は“歯の虫”であると人々に信じられていました。この当時は虫歯治療で歯に穴を空けた際、歯の中にある神経(歯髄:しずい)を虫と勘違いしたともいわれています(『図説 歯科医学の歴史』長崎県歯科医師会会史第一編より)。
つい最近まで、私たち歯内療法専門医でさえも歯の内部を直接見ることはできませんでした。実際には、ファイル(ステンレス製のヤスリの一種)で歯を削った際の指先に伝わる感触と、削りカスの色で汚れ具合を推測しながら治療をしていました。
写真をご覧ください。これは歯科用マイクロスコープ(歯科実体顕微鏡)を使って歯の内部を直接見た画像です。歯根(しこん)のひび割れまでもがクリアに観察できます。
このように、鮮明な画像を見ながら確実に汚れを除去していくのが「マイクロエンド」と呼ばれる精密根管治療です。
ミクロン単位の根管内を削りすぎずに掃除
細菌の集合体でできているバイオフィルムを含め、根管内の汚れを削り取るステンレス製の治療器具をファイル(ステンレス製のヤスリの一種)と呼びます。精密根管治療ではステンレスの代わりにニッケルとチタンの合金で作られたニッケルチタンファイルを使用します。
神経が入っている根管はミクロン単位で細かく枝分かれしているだけでなく、さらに複雑に湾曲しています。ファイルは歯を削る刃物ですから、むやみに力をかけると必要のないところまで削ってしまい、健康な歯を脆(ぜい)弱にしてしまいます。
その点、ニッケルチタンファイルはステンレス製のファイルと比べると非常に柔軟性があり、しなやかに曲げることができます。さらに専用のトルクコントロールされたモーターで回転させて削るため、一定以上の負荷がかかると自動的に停止し、逆回転して歯の削り過ぎを防ぎます。ニッケルチタンファイルと電動モーターは、無駄なく隅々まで汚れを掃除することができる器具です。ここ10年くらいで急速に進化、普及した革新的な器具のひとつでもあります。
根管内の清掃後の汚れをすべてクリアに
根管治療専用に開発された超音波チップは、水中にて非常に強い分解エネルギーを持った酸素の泡を発生させ、根管内に残っている削り取った汚染物質の切削片を隅々まで洗い流します。
骨を再生させて抜歯を回避
感染が進んで長期間放置すると、歯根に穴が開いたり、歯根の先端が溶けたりしてしまう場合があります。従来、このようなケースでは歯の周囲の骨が大きく吸収(溶けてなくなること)してしまうため、咬む力に耐えきれなくなることから抜歯が余儀なくされてきました。
しかしこのようなケースでも、アメリカで開発されたMTA(セメントの一種)で穴を封鎖すると、生体との親和性が失われた骨でも再生するため抜歯をせずに済みます。
※骨の再生度合いには個人差があります。
当院が精密根管治療において設備を重視しているのは、高度な器具、材料、薬剤を組み合わせることで1本でも多くの歯を保存できるようになる確率が高まるためです。歯内療法分野で最先端を行くアメリカで広く行われている治療方法であることから、米国式根管治療とも呼ばれています。